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越前水仙発祥の伝説


水仙が流れついたという刀上海岸
中央では源平相争っていた平安末期、木曾義仲が倶利加羅峠で平家を破り京へ攻め上がった頃、越前海岸居倉浦に、山本五郎左衛門という長者がいた。
彼は長男の一郎太と共に郎党をひきいて義仲の軍勢に加わり、留守を次男の二郎太が守っていた。
ある日、二郎太が居倉浦の海岸を散歩していると波間から助けを求める声がし、必死で助け上げるとまれに見る美しい娘だった。


伝説のヒロインがこの上から
身を投げたという雌岩
娘と二郎太は日増しに親しくなり、そして春が過ぎ、夏も終わりに近づいたある日、戦いで負傷した一郎太が父の戦死の報とともに帰ってきた。


一郎太と二郎太が決闘した雄岩
二人は父のこと、戦いのことを夜のふけるのも知らず語りあった。そして、一郎太は二郎太のそばに寄りそう美しい娘に気ずき、やがて二人は娘をめぐって争うようになった。
その年の冬、兄弟は荒れ狂う海岸で決闘することになってしまった。波しぶきの中で対決する二人の姿を見た娘は、「二人の仲を悪くしたのは私が原因です」と言って、荒海に身を投げた。そこは娘が助けられた時と同じ居倉浦の刀上(たちかみ)の浜であった。
翌年の春、刀上の浜に見たこともない美しい花が流れついた。人々は、美しかったあの娘の化身だろうとうわさして、その花を丘の上に植えたとか・・・・・・・
これが越前水仙発祥にまつわる哀れな物語である。


伝説のヒロイン